JAと農家さん、「Xデー」に戦々恐々「年明けにも大暴落して5キロ4300円になってしまう恐れ」

2025年産米値下げの動き「年明け4300円程度」？

青森県産米まっしぐら、はれわたりの2025年産新米発売から約3カ月。当初5キロ税込み4千円台後半から5千円程度だった価格は、一部の小売店でようやく値下げが始まった。例年にない高値で売れ行きが鈍り、かさむ保管コストを何とか圧縮したいとの思惑が表面化した形。関係者の間では「年明けには各店税込み4300円程度に下がる」との観測が広がる。

青森市を中心に県内12店舗を展開する県民生協は29日、県産米のまっしぐらが5.5キロ4623円、はれわたり5キロ4947円、青天の霹靂（へきれき）5.5キロ5271円（いずれも税込み）で販売していた。まっしぐらとはれわたりは全農県本部の増量キャンペーンで、500グラム増量。そのほか、割安なブレンド米を3759円に設定していた。

コメ仕入れ担当・鳥谷部雄太さん（40）によると、25年産米はあまり売れずに、これまで備蓄米が優先的に売られてきた影響でまだ残っている3千円台の24年産米が割安なブレンド米とともに売れ筋商品となっているという。

しかし、今月中に24年産米の在庫はなくなる見込み。鳥谷部さんは「ブレンド米は今後も売り続けるが、新米にとってはこれからが勝負。4300円程度に下がる見込みだが、それでも売れなければさらに下がるのでは」と推測する。

29日は他の複数のスーパーでも5キロ4千円台後半が目立ったが、一部小売店では既に5キロ4200円台の販売も始まっていた。県内全域に展開するスーパーの仕入れ担当者は「新米の売れ行きがあまり良くなく、倉庫に在庫がたくさんある状態で、保管料がかかっている。ある程度の量をさばきたいということで、価格の引き下げの話は出てきている」と語る。

県内のある取引業者も「年明けにかけて税抜き3980円（税込み4298円ほど）で推移していくと見込まれる」とみており、来月中には、各小売店が税込み4300円台で並ぶ見通しだ。

弘前大学農学生命科学部の石塚哉史（さとし）教授は「農家の再生産のためには3500円以下にならないぐらいが良い。今後は暴落を防ぐために（在庫が少なくなった）備蓄米として、市場のコメを政府が買い取るなどの政策を講じるべきだ。やり方を間違えて国民のコメ離れにならないよう手を打ってほしい」と語った。
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