社説「大地震への対応に追われる日本に対し、中国やロシア、北朝鮮といった周辺国が軍事的挑発を強める恐れがある」

岸田文雄首相が年頭会見で、令和になって最大級の自然災害となった能登半島地震を「国難」と位置づけた。

被災地の住民が平穏な生活を取り戻せるよう「私自身先頭に立って、被災地、被災者に寄り添って努力をしていかなければならない」と語った。

この誓い通りに、国の総力を挙げて被災地を救わなければならない。岸田首相が指導力を発揮すべきときだ。

生存率が大幅に下がるとされる発生７２時間を過ぎた。そうであっても、政府や自治体、自衛隊、警察、消防などは一人でも多くの生存者の発見と救出に全力を注いでほしい。

https://www.sankei.com/article/20240105-XUEC6G5GMBMUVK3IBT74XLO24Y/

首相は「住まいの確保など生活基盤や経済基盤の回復といった中長期的な課題にも取り組む」とも語った。仮設住宅の手配を急ぎたい。地域復興に向けて歩を進める必要もある。

大地震への対応に追われる日本に対し、中国やロシア、北朝鮮といった周辺国が軍事的挑発を強める恐れがある。警戒を怠ってはならない。

ロシアのウクライナ侵略は続いている。台湾併吞（へいどん）をねらう中国の動向から目が離せない。北朝鮮のミサイル発射はいつ行われるかわからない。

日本には周囲の専制主義の国々の脅威を抑止する努力が欠かせない。防衛力の抜本的強化の推進によって抑止力や対処力を高め、毅然（きぜん）とした外交の推進で隙を見せないようにしたい。
（後略）