ChatGPT、移民を拒否して生産性上昇で日本を経済成長させることは非常に困難です

■ 1. 生産性上昇率の現実的な限界
OECD諸国の労働生産性（実質GDP／労働時間）は、長期的に見ると次のような推移をしています。

国・地域 1970～1990年代の平均上昇率 2000年以降の平均上昇率
アメリカ 約2.0～2.5% 約1.2～1.5%
ドイツ 約2.0% 約1.0～1.2%
日本 約3～4%（高度成長期）→ 1%未満（2000年以降） 約0.5～1.0%
つまり、先進国では生産性上昇は年1％前後が現実的な上限です。
AIや自動化が進んでも、それを恒常的に維持することは難しい（導入期には上がっても、普及すると伸びが鈍化）という「ソロー残差」問題もあります。

■ 2. 日本の人口減少とのバランス
日本の労働力人口はすでに減少局面に入り、今後も次のような見通しです：

年 労働力人口（約） 減少率
2020年 約6,800万人 –
2035年 約5,800万人 約 -15%
2050年 約4,800万人 約 -30%
単純計算で、生産性が年1％ずつ上がっても、労働力が年1.5～2％減れば実質GDPは減少します。
つまり、人口減少スピードが生産性上昇を上回ってしまうわけです。

国 年平均人口増加率（2000～2023） 経済成長率
米国 +0.7～1.0%（移民中心） 約2.0%
カナダ +1.0%以上（移民依存） 約2～3%
豪州 +1.3%（移民依存） 約2～3%
日本 -0.5%（純減） 約0～1%未満
移民による人口増加分が成長率を底上げしており、生産性上昇率自体は日本と大差ありません。

■ 4. 日本特有の構造的制約
さらに、日本では次の要因が生産性向上を難しくしています：

中小企業比率が高く（約99.7%）、設備投資余力が乏しい

終身雇用・年功序列の慣行がイノベーション導入を遅らせる

規制や行政手続きの非効率

サービス業の労働集約度が高く自動化が難しい（介護・医療・飲食など）

つまり、構造的に生産性上昇余地が限られているのに、人口減少スピードが世界最速というのが日本の現実です。

■ 5. 結論：人口減少と生産性上昇のギャップは埋まらない
したがって、

「生産性上昇で人口減少を補う」という日本の主張は、理論的にも経験的にも成立しにくい。

仮に生産性が年1％上がっても、労働力が年1.5％減ればGDPは年0.5％減少します。
これを覆すには、技術革新による年3～4％の生産性上昇が必要ですが、先進国ではそれは非現実的です。