海外からの入国者、３割が位置情報報告せず、健康状態の報告も約２割がせず。政府どうするのこれ

入国者の３割が位置情報報告せず

　政府の新型コロナウイルスの水際対策をめぐり、自宅などで待機を求められている海外からの入国者の約３割がスマートフォンのアプリで位置情報を報告していないことが１９日、明らかになった。健康状態の報告も約２割が行っていなかった。政府は所在把握などを徹底するため、ビデオ通話の活用や見回りなどを強化する方針だ。

　厚生労働省が１９日の自民党外交部会などの会合で明らかにした。現在、政府は日本人を含む全ての入国者に対し、原則として１４日間の自宅やホテルなどでの待機を求め、その間、入国者は毎日、位置情報をアプリ、健康状態をメールでそれぞれ確認している。

　だが、５月９日から１週間の平均値で、位置情報をアプリで報告しなかった人は全対象者２万２５８９人のうち２９・４％の６６４４人、健康状態の確認に応じなかった人も２２・３％の５０５０人に上った。

　厚労省は改善に向けビデオ通話を活用する方針で、５月末には１日１万５千件の電話ができる体制にする方向だ。位置情報アプリについても、ログインできていない人が多いため、システム改修や、空港や指定宿泊施設での待機中の確認作業などを進める。

　所在が確認できない人に対する自宅などへの見回りも５月中に１日５０件ペースに拡大する。同時に、変異株が流行するインドなどからの入国者に対する見回りも重点的に行う方針だ。

　この日の会合では、出席議員から「（位置情報の確認など）フォローアップがやれなければ指定宿泊施設に１４日間隔離すべきだ」との意見も出た。
https://www.sankei.com/smp/politics/news/210519/plt2105190012-s1.html