長年の勤めを終え、手にする数千万円の「退職金」。多くの人にとって、それは老後の生活を支える“最後の命綱”のはずです。しかし、その命綱をあてにしすぎた結果、退職と同時に「こんなはずではなかった」という現実に直面することも。本記事では、山本夫妻の事例とともに、見えない負債の恐ろしさについて、FP相談ねっと・認定FPの小川洋平氏が解説していきます。
すべての諦めがつきました…62歳元国家公務員夫の「退職金2,000万円」が忽然と消えた通帳に妻、愕然。「消失の真相」にただただうなだれるワケ【FPが解説】(THE GOLD ONLINE(ゴールドオンライン)) - Yahoo!ニュース長年の勤めを終え、手にする数千万円の「退職金」。多くの人にとって、それは老後の生活を支える“最後の命綱”のはずです。しかし、その命綱をあてにしすぎた結果、退職と同時に「こんなはずではなかった」というnews.yahoo.co.jp
「これで私も仕事を辞められるかと思ったのに……」
山本佳子さん(仮名/59歳)は、無意識にため息を漏らしていました。目の前に広げられた夫の通帳に、あったはずの2,000万円が、ほとんど消えていたからです。
夫の浩一さん(仮名/62歳)は、この春に退職した元国家公務員。転勤が多く、家を空けがちな職場に身を置きながら、長年勤め上げてきた人です。佳子さんは夫の退職を機に、長年の仕事から解放される日を心待ちにしていました。
佳子さんは地元の小さな会社で事務員としてフルタイムで働いていましたが、子ども2人の大学進学が重なった時期は貯蓄どころでなく、家計は常に綱渡り状態でした。住宅ローンや生活費、教育費に追われ続け、気づけば「退職金と年金が老後の命綱」という状況です。
年金の受給見込み額は夫婦合わせて月25万円ほど。さらに、2,000万円を超える夫の退職金。「この退職金があれば、我慢してきた旅行にも行けるし、自宅のリフォームもできる」そう佳子さんは考えていたのです。
しかし、退職を祝うためレストランを予約しようとした矢先、夫の口から告げられたのは、あまりに絶望的な言葉でした。
「2,000万円もの大金が、なぜ?」
佳子さんは投資詐欺にでもあったのかと想像しました。しかし、夫の口から明かされたのは、もっと現実的で、根深い問題だったのです。
「住宅ローンがまだ1,200万円残っていて、それを一括返済したんだ。それから、車のローンが300万円、あと……」
言葉を濁したあとに続いたのは、200万円ものクレジットカードの分割払い残高。「まさかこんなに残っているとは思わなかった」と夫はいいます。
借入の返済総額は、合計1,700万円。退職金2,000万円から差し引くと、残りはわずか300万円です。「もうそんなに……」佳子さんは呆然とします。
「すべての諦めがつきました……」と零す佳子さん。早々に仕事を辞めて楽をしようと考えていた計画は崩れ去り、佳子さんは仕事を続ける決断をするほかありませんでした。
山本さん夫婦の問題は、資産と負債の「見える化」を行ってこなかった点にありました。
住宅ローンや車のローンがいくら残っているのか、夫婦それぞれが正確には把握していませんでした。目の前の給料とクレジットカードの支払いだけを考え、家計の全体像が見えないまま、「退職金でどうにかなるだろう」という安易な発想でやりくりを続けていたのです。やりくりに苦しくなってクレジットカードの分割払いを利用したことが、さらに事態を悪化させました。
どれだけ収入があっても、なににいくら支出しているかを可視化しなければ、無意識に出費は膨らみます。特に分割払いやリボ払いは、負債の総額が見えにくいため、注意が必要です。
「退職金があるから大丈夫」ではない
不動産・預貯金・保険・ローン・カード残高など、自分の資産と負債をすべて洗い出し、「見える化」しなければ、本当に自由に使えるお金はわかりません。
厚生労働省の調査(令和4年就労条件総合調査)によれば、大卒国家公務員の退職金は平均約2,300万円ですが、住宅ローンの平均完済年齢は70歳を超えるというデータもあります。退職金とローン残高が重なる家庭は、決して少なくないのです。
また、金融広報中央委員会の調査で、60代の約7割が「老後資金に不安を感じている」と答えている背景には、こうした資産と負債の管理能力の問題も大きく横たわっています。
山本夫妻のように、「年金が月25万円あるから大丈夫」「退職金が2,000万円あるから大丈夫」ではなく、月々の支出や将来のイベント支出を考慮し、自分たちが望む将来設計から、いまのままで本当にお金が足りるのかを計算することが重要です。そのうえで、優先順位をつけ、必要に応じて定年後も働くといった選択が大事になるでしょう。
幸いにも山本さん夫婦は、まだ2人とも元気で働ける状態です。いまからでも家計を「見える化」し、計画的な貯蓄を始めることで、老後破綻を回避することは十分に可能です。
昨日も立ってなかった?
退職金で喫茶店始めるんだろ
そんなん借りたまま引き伸ばして1200万円運用して足しにすればいいのに
先にしねるかもしれんし生活費にも回せる
もったいね
なにも我慢してねえだろ
ワイは公務員様なんだぞ!ってホイホイ言うこと聞いてたんだろう
どれもそんなにあるわけ無い
FXで溶かしたとかそういう話だと思ったわ
全部生活に関係してる金じゃねえかよアホくさ



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