高橋宏斗(20) 「自分どうこうは関係ない。チームの負けに責任」

中日・高橋宏斗投手（20）の力投はまたも報われなかった。25日の巨人戦（東京ドーム）に先発し、連続無失点は27イニング2／3で止まったが、7イニング2失点。だが得点は高橋宏の投ゴロの間に挙げた1点だけ。プロ最多116球も勝利には結びつかず、5敗目を喫した。
　高橋宏の頭から離れない71球目だった。1―1で同点の5回1死一、三塁。打席の巨人先発・戸郷は初めからバントの構えをした。
　「もう少し慎重に行かなきゃいけませんでした」。高めスプリットを三塁寄りへ転がされ、逆シングルで捕球してグラブトス。ボールはやや浮き、三走・ポランコの生還（記録は内野安打）を許した。決勝点になった。
　逆転クライマックスシリーズ出場へ負けられない一戦だと分かっていた。「何があろうと、きょうは（チームに）勝ちをつけないといけなかったです。今までのゲームよりも、重要性は高かった。悔しいです…」。
　初回、戸郷の3者連続三振を見て腹をくくった。「1点差になると思いました。1点でもあげたらダメだと思いました」。4回1死、中田の中犠飛で先制を許した。失点は4試合ぶり。連続無失点イニングは27イニング2／3で止まった。直後の5回1死三塁で打席が回り、高いバウンドの投ゴロで同点に追い付いた。そして5回。71球目に決勝点を献上した。
　7イニングで被安打4、失点2。球数116球は自己最多。試合の重みを分かっていた分、力んで与四球は自己ワースト5。マウンド付近でストレッチをして「ふくらはぎを意識して。フォームのバランスをよくするためでした」。重圧をほぐし、パフォーマンスを安定させた。6、7回は走者を出しても踏ん張った。
　打線の援護がないから苦しい。3回は無死満塁を岡林、溝脇、阿部で潰し、6回の1死満塁も無得点。3併殺で、奪った1得点は高橋宏のバットだけ。
　投球の出来を問われた右腕は「自分どうこうは関係ないです。チームの負けに責任を感じなければいけません」。高卒2年目の20歳の青年は敗因のすべてが自分だとした。すべて、しょい込んだ。