日本製鉄、事業益急回復　「鉄」の時代が来た

日本製鉄、事業益が急回復
https://www.nikkei.com/article/DGKKZO71545600Q1A430C2DTC000/

販売数量の増加と利幅の改善の両輪がけん引する。日本製鉄幹部は「環境がいいときに利益は伸びやすい。
設備集約によるコスト削減効果も出てくる」と自信を示す。

まず数量効果。日本の20年度粗鋼生産量は半世紀ぶりの低水準だったが、今年度は9300万～9400万トンと
前年度から1000万トン以上増えるとの見方が多い。
加えて利幅の改善も進む。各国の財政政策や金融緩和で自動車や家電、住宅用途の需要が急回復しているが、
需要に供給が追いつかず、海外で鋼材価格が急上昇している。

リスクは最大の鉄鋼生産国の中国の動向だ。現時点で需要増に対して供給量はそこまで増えず、
「アジアの輸出市場はタイトになりやすい状況」（大和証券の尾崎慎一郎氏）で鋼材価格は崩れにくいとの見方が多い。
中国政府は4月1日に二酸化炭素（CO2）排出を減らすため粗鋼生産を抑制する方針を示し、一部で既に減産措置がとられているためだ。

世界の鉄鋼大手は中国の生産拡大路線に苦しんだため、減産措置は追い風になる。
ただ、「中国国内でもフル稼働のままの地域もある」（SMBC日興証券の山口敦氏）と慎重な声も聞こえる。