32歳の韓国男性が「野原ひろし」に憧れるワケ…韓国の若者を襲う深刻な状況

出生率は過去最低の0.84

「私は非婚主義なの」 　韓国で現在放映中の人気ミステリードラマ『シーシュポス:the myth』で、ふたりの若い女性がそれぞれ、こう言い放つ場面があった。最近の韓国ドラマを見ていると「非婚主義」という言葉がよく出てくる。 　韓国では、合計特殊出生率(1人の女性が生涯に産むと見込まれる子どもの数)が下げ止まらない。2020年は0.84で過去最低を更新した。同じく少子化が大きな社会問題となっている日本は2019年に1.3で、3年連続で1％を下回る韓国よりはかろうじて高い。 　

韓国の出生率は世界でも最低レベルで、少子化が極めて深刻な問題となっている。その最大要因のひとつが、先ほど触れたように「非婚・未婚」が増加していることである。 　

韓国では最近、結婚式を挙げても最初は籍を入れずに様子を見る事実婚も増えてきた。またそうした事実婚にも至らずに、結婚自体を拒否する、あるいはあきらめる人が増加していることが、出生率が下げ止まらない大きな要因の1つになっている。
　もう1つの要因は、結婚した場合でも経済的な理由や妻となった女性が働き続けるために、子どもはひとりまで、あるいは産まないという選択をしていることである。韓国では日本以上に結婚時の平均年齢が高くなっており、妊娠が難しくなるという現実もある。 　

もちろん少子化の進行は複合的な要因が絡み合っているが、その原因の1つは、若い世代が直面している社会的な問題だ。