「クマいない」千葉県にアウトドア客も注目三方が海小さな森林…条件重なり生息せず

1 : 2025/11/16(日) 00:37:20.26 ID:W5qkHAIud

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「クマいない」千葉県にアウトドア客も注目　三方が海　小さな森林…条件重なり生息せず

11/15(土) 10:00配信

産経新聞
令和7年4～8月のクマの出没件数（速報値）

全国でクマによる被害が多発している今年。市街地にも現れる「アーバンベア」も問題になっている。国内では北海道にはヒグマ、本州や四国にはツキノワグマが生息しているが、本州で唯一、クマが生息していないとされ、県外の観光客から注目を集めているのが千葉県だ。なぜクマがいないのか、その理由を探った。

【写真】民家に侵入し、洗面台などを破壊するクマ

■化石出土せず

「現在、千葉県内ではクマの存在が確認できない。過去にも県内に生息していたという直接的な記録も一つもない」と話すのは、動物学を研究し、県内の哺乳類などの生態に詳しい県立中央博物館の研究員、下稲葉さやかさん。下稲葉さんによると、県内ではクマの化石も出土しておらず、縄文時代の遺跡からクマの牙は発見されているが、当時の交易品の可能性もあるという。

現在もクマが生息していない理由として、他地域から移動してくるのが極めて困難なことが挙げられる。三方を海に囲まれている千葉県。江戸川などを挟んで千葉と隣接する東京都や埼玉県、利根川の対岸である茨城県内には出没しているが、「東京、埼玉、茨城の中でもクマの生息域である山間部は千葉から遠く離れている。出没地域から移動してくるには都市部や平野部を通らねばならず、千葉県までたどり着くことは難しい」（下稲葉さん）という。

また、クマの生息が確認されていない理由として、連続した森林の面積が小さいことも考えられるという。エサや巣穴の確保など、クマが生きるには広い森林面積が必要だ。下稲葉さんは「定住するための繁殖なども考えると、半島である県内の森林面積では小さい可能性もある」とし、縄文時代に海面が上昇した「縄文海進」により今の県内陸部まで海が入り込み、現在より森林面積が小さかった可能性も高いと話す。

現在、ツキノワグマが生息する世界で最も小さい島は四国だという。

■「キャンプに適している」

クマがいないことを理由に、アウトドアを中心に他県からの観光客が足を運ぶケースもある。いすみ市のキャンプ場「TAKIVILLAGE」では、昨年からSNSの広告などで「千葉にはクマがいない上に暖かいので、キャンプに適している」とアピールしている。同キャンプ場の代表、新谷（しんかい）亮太さんによると、東京や神奈川からの利用客が、クマがいないことを理由に訪れているという。

また、県南部の鋸南町と富津市にまたがる観光名所の鋸山（のこぎりやま）なども、県外の登山客から注目されている。今後、首都圏でもクマの被害が増えた場合、「安心」を求めて千葉県を訪れる観光客が増えるかもしれない。（鈴木貴之）