米国人「トランプが頭おかしすぎてもぅﾏﾁﾞ無理…移住しょ…🥺」欧州「いや、ご遠慮願います👐」

　　申請資格は一般的に親または祖父母がアイルランド出身であれば得られる。以前はパスポートを「いざという時の保険」と捉えていた人も多かったが、今年は実際に移住を進める人が増えているとコーデス氏は述べる。

厳格化
　　アイルランド系同様、米国にはイタリア系移民も極めて多いが、イタリアはこうした人々が血縁を利用して市民権を取得する要件を厳格化し、申請の対象を親または祖父母がイタリア人の場合に限定した。以前は1861年までさかのぼって家系のルーツをたどることができれば申請できた。

　　英国も制度を厳しくしている。昨年は米国人の英市民権取得申請が過去最多を記録。配偶者ビザ申請に必要な収入基準の引き上げや、学生ビザ保持者が配偶者や子どもを同伴することの制限に続き、今月はさらに厳しい規制案が示された。

　　これには、労働ビザに求められる給与水準の引き上げや大学卒業レベルの要件追加、永住権取得までの滞在年数の延長などが含まれる。

ここ数年、裕福な米国人が利用してきたもう一つの手段が、いわゆるゴールデンビザだ。移住先の不動産やファンドへの投資を条件に居住権、さらには欧州連合（ＥＵ）加盟国の市民権を付与する仕組みだ。

　　しかし、これも縮小傾向にある。スペインは最近制度を廃止し、英国も2022年に撤廃。ポルトガルやギリシャなど他国でも制限が設けられている。

　　英国は今月、新たな投資家ビザの検討を示唆したが、４月にはＥＵ司法裁判所がマルタの「ゴールデンパスポート」は違法との判断を下しており、欧州全体での制度存続には暗雲が漂っている。

　　イタリア・フィレンツェが本拠の移住支援会社スマート・ムーブ・イタリーの創業者サマンサ・ウィルソン氏によれば、今年に入ってから投資家や退職者、デジタルノマド向けビザの需要が24年終盤に比べて３倍に増加している。

　　ノマドビザはリモートワークを行う人に税制上の優遇措置と居住権を与える場合が多く、投資家ビザは多額の資金持ち込みを条件とする。退職者ビザは、一定の月収があることを条件に発給されるのが一般的だ。

　　ミネソタ州スティルウォーターに住む元警官ヘザー・マクリーンさん（50）は、退職者ビザの取得を検討している。昨年11月の大統領選前まで米国を離れるつもりはなかったが、今ではフランスかスペインへの移住を視野に積極的に、書類集めやビザの情報収集を進めている。