イーロン・マスク「６，０００万行あるアメリカの社会保障システムを、生成ＡＩで数ヶ月でＪＡＶＡに書き直す」

イーロン・マスク率いるDOGEが6000万行ものCOBOLコードを含む社会保障局のシステムをコード生成AIでわずか数カ月の内に移行させようとしており危険性が指摘されている
https://gigazine.net/news/20250401-doge-plans-to-rebuild-ssa-cobol-database/

・DOGEによるSSAシステム移行計画
– イーロン・マスク氏率いる政府効率化部門（DOGE）が、社会保障局（SSA）の6000万行以上のCOBOLコードを含むシステムを、生成AIでJavaなどに数カ月で移行する計画を推進。
– 従来の予定では5年かかる近代化を「AI活用」で短期化しようとしている。

・専門家や関係者の懸念
– SSAのシステムは社会保障番号管理や給付金支払いの中核機能を担い、6500万人以上に影響。
– 元技術者は「システムが繋ぎ合わせ状態で、不用意な変更は全体崩壊のリスク」と警告。
– 数カ月での移行はテスト不足や不具合の発生を招き、国民生活への悪影響が懸念される。

・Hacker Newsでの批判的意見
– 「レガシーシステムの書き直しは費用対効果が悪く、破滅的な結果を招く」（afavour氏）。
– 「経験不足のエンジニアがシステムの複雑さを過小評価している」（piva00氏）。
– 「COBOLを安易に悪者扱いせず、技術的課題の本質を議論すべき」（jareds氏）。

・関連法案「SAMOSA」の動向
– 政府機関にソフトウェア資産の監査・近代化を義務付ける法案。
– 2023年に一度廃案となり、2025年3月に再提出されたが、成立の見通しは不透明。

・その他のプロジェクト「Are You Alive Project」
– 不正受給検出を目的としたDOGEの別プロジェクト。
– マスク氏が主張した「150歳の受給者」問題は、COBOLの日付処理特性による誤解と指摘。

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=専門用語解説
1. COBOL
– 1959年開発のプログラミング言語。金融・政府システムで広く利用され、高い信頼性を持つが、保守担当者の不足が課題。
– 特徴： 事務処理向けに設計され、英語に近い構文で可読性が高い。

2. Java
– 1990年代に普及したオブジェクト指向言語。プラットフォーム非依存性（「一度書けばどこでも動く」）が強み。

3. 生成AI（コード生成AI）
– 自然言語処理技術を用いてプログラムコードを自動生成するAI。例: GitHub Copilot。
– 課題： 生成コードの品質保証やセキュリティリスクが指摘される。

4. レガシーシステム
– 長年運用されている旧式のシステム。技術的負債が蓄積し、保守・更新が困難な場合が多い。

5. メインフレーム / z/OS
– メインフレーム： 大規模な基幹業務用コンピュータ。例: IBMのSystem z。
– z/OS： IBMメインフレーム向けのOS。高い信頼性とバッチ処理能力が特徴。

6. SAMOSA（ソフトウェア資産管理強化法）
– 政府機関にソフトウェア資産の監査・ライセンス統合・近代化計画の策定を義務付ける法案。

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=背景補足
・SSAシステムの重要性
– 社会保障番号の発行や年金・医療給付の計算など、国民生活に直結する機能を処理。
– システム障害が起これば、給付遅延や不正支払いが発生する可能性がある。

・COBOLシステムの現状
– アメリカでは金融・政府機関で未だに広く利用（43%の銀行システムがCOBOL依存との調査あり）。
– 専門技術者の高齢化・不足により、保守コストが増大。