インド発「コメ危機」が世界で食料危機を引き起こす　いまコメの価格が世界で急上昇中

インド発「コメ危機」が世界で食料危機を引き起こす

世界でのコメ価格高騰

いまコメの価格が世界で急上昇している。コメは日本人を含め、世界人口の半分以上の主食となっているが、その価格が15年ぶりの高い水準になっているのだ。引き金となったのは、世界一の輸出国インドによるコメの輸出制限だ。

【画像で見る】コメ価格が爆上がりするいま

2024年に総選挙を控えたインドの政権はインフレが進むなか、主食となる穀物の価格を安定させようと躍起になっている。そのためにほとんどの種類のコメと小麦の輸出を制限してきた。

2022年9月、まず価格の安い割れた砕米の輸出を禁止し、比較的値段が高い長粒のバスマティ米以外のコメ輸出に20％の税を課した。しかし、それでは価格上昇を止められなかったことから、2023年7月、バスマティ以外の白米の輸出が禁止された。半調理済みのパーボイルド米にも8月、20％の輸出税がかけられた。

しかし、インドからの輸出米の割合は、世界の約40％を占めていた。その供給停止で世界はコメ不足に陥り、価格は一気に上昇している。国連食糧農業機関（FAO）によると、2023年10月の米価は前年比で24％も高くなっている。

もしインドが現在の規制を維持し、他の輸出国も追随すれば、世界は本格的なコメ危機に陥る可能性があると、専門家らは英紙「フィナンシャル・タイムズ」に述べる。

いまのところ、インドに次いでコメ輸出が多いタイとベトナムでは制限をしていない。しかし、基準米価はそれぞれ14％と22％上昇した。他の生産国も対応を迫られている。世界第5位のコメ輸出国であるミャンマーは、8月末に約45日間コメの輸出を禁止すると発表した。フィリピンもコメの備蓄を増やし、価格上限を導入している。

15年前の食料危機
世界は2007～2008年にもコメ価格高騰に伴う食料危機を経験している。当時は天候不順で穀物の収穫量が減少し、小麦やトウモロコシなどの価格が高騰した。

危機感を覚えたインドは当時もすぐにコメの輸出制限をかけ、それにタイやベトナム、エジプトやパキスタンなども追従した。コメの供給量が世界で激減して価格が急騰すると、コメ輸入国ではその入手が困難になってしまった。当時は香港ですらスーパーマーケットからコメが消えたという。

貧しい国は食料不足に陥り、アフリカの14ヵ国で暴動が発生した。中東や北アフリカの国々でも食料不足から政府に対する不満が高まったため、2010年以降のアラブの春に繋がったという指摘もある。

前回の危機は日本、タイ、ベトナムが輸出拡大に乗り出し、コストが下がったことで終息した。

しかし、今回の米価高騰に伴う危機は、前回よりも影響が大きくなる可能性があると指摘されている。それは、ウクラ…

詳細はサイトで
https://news.yahoo.co.jp/articles/66c3f219b8f8e7ca575833f5d9b12ae59092e929