羊蹄山の雪崩で死亡はドイツ国籍の会社員ジェシカ・タマラナイザーさん(31)と判明 専門家「山をナメるな」

羊蹄山雪崩…死亡はドイツ人女性31歳　強風による吹きだまりが原因か　専門家「地域特性を知る必要」　北海道 | TBS NEWS DIG
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13日、北海道の羊蹄山で、外国人女性が雪崩に巻き込まれ死亡しました。
事故の後、現地を調査した専門家は、強風による吹きだまりが雪崩の原因ではないかと分析しています。

13日午後、北海道倶知安町の羊蹄山で発生した雪崩では、バックカントリースキーをしていた外国人10人のグループのうち、女性１人が雪崩に巻き込まれ死亡しました。
警察は16日、死亡した女性はドイツ国籍の会社員、ジェシカ・タマラ・ナイザーさん31歳で、死因は窒息死と発表しました。

一行は、海外の旅行会社が企画したツアーの参加者で、ベルギー人の男性客２人と、ナイザーさんを含むドイツ人とスイス人の女性客６人、そしてチェコとデンマークの男性ガイドら２人です。
この日の倶知安町の最高気温は４月上旬並みの８℃で、羊蹄山麓には、なだれ注意報が出されていました。
雪崩が起きたのは羊蹄山の西側の斜面で、地元でロッジを経営しながら、独自に雪崩情報を発信している男性は、当時の天候について風が強い状態だったと話します。

ニセコ雪崩研究所　新谷暁生所長
「西風が強かったことは間違いない。羊蹄山の西側に雲がべったりついて、朝は上にレンズ雲がかかったから、羊蹄山自体は独立峰だから風が強かったと思う」

また、事故の翌日、現地を調査した日本雪氷学会北海道支部の調査チームは、強風による吹き溜まりが原因ではないかと指摘します。

日本雪氷学会北海道支部　原田裕介さん
「現地では３～４日前から比較的強い風が吹いていた。雪が運ばれるわけですね、いわゆる吹雪の状態が継続されますと、地形によっては雪がたまったりする箇所がある。それを『吹きだまり』と言うが、そういった状態が残存していた。そういった条件の中、比較的不安定な部分をスキーヤーの方が刺激を与えたのではないか」

外国人スキーヤーが犠牲になった今回の雪崩事故。
日本雪氷学会の原田裕介さんは、日本と海外では雪の降り方や積もり方が異なるため、地域のことを知る必要があると指摘します。

日本雪氷学会北海道支部　原田裕介さん
「山域が違えば、雪の質も違ったり、降り方も違う。その地域で滑るのであれば、まずは地形を知ること。あとは、降雪・積雪の条件とか気象条件を知ること。それに基づいて類推される積雪の状況を知るというのが大事」

警察によりますと、北海道では過去５年間で、雪崩による山岳遭難が９件発生し、外国人２人を含む６人が死亡しています。