高市早苗総理、台湾有事になったら台湾関係法でアメリカが米軍を台湾に送ると誤解していた。やけに強気な理由が判明

自民党・高市早苗氏が会見　総裁選出馬を表明（2025年9月19日）
https://youtu.be/ilPSmdmXAGo?t=5152

高市
中略
アメリカも同じですよね
アメリカも台湾と国交を断行した時にそれと同時に台湾関係法という法律を作りました
1月まで遡って適応しました
どういう事になってるかというとアメリカの台湾関係法では台湾が有事に巻き込まれたときにここに米軍を送ることもできるし、そして必要な防衛装備品を出す事もできる

僕「高市先生が台湾関係法で台湾に米軍を送ると言ってるけど」

チャッピー

結論：
「アメリカには台湾有事に米軍を必ず送る」と義務づける法律（＝自動参戦義務）は存在しません。
ただし、台湾関係法（Taiwan Relations Act: TRA）という法律があり、台湾防衛に必要な武器供与や米国の関与を規定しているのは事実です。

■ 台湾関係法（TRA）に書いてあること

1979年に制定されたアメリカの国内法で、主な内容は以下の通り：

●事実①：台湾の自衛能力を維持するために「防衛的な武器を提供する」と明記
・米国は台湾に武器を売る義務を持つ
・台湾が自力で防衛できる能力を維持させるのが目的

●事実②：台湾への武力行使は「西太平洋地域の平和と安全に対する脅威」だと認定
・つまり、米国の重大関心事項になると法律が定義している

●事実③：しかし“米軍を派遣する義務”は書いていない
・米軍の派遣や参戦を義務化する条項は存在しない
・あくまで「台湾の安全に深い関心を持つ」ことを宣言するだけ

■ つまりどういうことか？

TRAは下の2つを同時に成立させている法律です：
1.台湾が侵攻されれば、アメリカは強い関心を持つ（＝黙って見ているとは言っていない）
2.だが“参戦する”とは一言も書いていない（＝戦争の決定は大統領と議会）

この“曖昧さ”こそがアメリカの戦略で、
「曖昧なまま抑止を維持する（Strategic Ambiguity：戦略的曖昧性）」と言われています。

■ 高市総理の発言が事実と異なる点

もし「台湾関係法でアメリカは台湾に米軍を送る」と断言したのであれば、それは台湾関係法の内容とは一致しません。

正しくは「武器供与などの義務はあるが、自動参戦義務はない」です。