東大ジョーカー懲役7年～12年求刑

東大前刺傷　懲役7年～12年求刑　19歳男に検察、11月17日判決

東京都文京区の東京大前で昨年1月、大学入学共通テストの受験生ら3人を刺したなどとして、殺人未遂などの罪に問われた当時17歳で名古屋市内の高校2年だった男（19）の裁判員裁判の論告求刑公判が27日、東京地裁（中尾佳久裁判長）であり、検察側は懲役7年以上12年以下の不定期刑を求刑した。判決は11月17日。

　検察側は論告で「成績が落ちて自暴自棄になり、自殺の踏ん切りをつけるために人を殺害して罪悪感を背負おうとした動機は身勝手だ」と指摘した。

東大に向かう際、地下鉄の電車内や駅構内で着火剤を投げるなどしたことも合わせ「犯行の重大性や悪質性を考えれば、保護処分にするのは社会的に許されない。少年刑務所で処遇することが更生に資する」と主張した。

　論告に先立ち、検察側は、事件後1年8カ月入院した後に病死した被害者の70代男性の弟の「兄がどんなに無念だったか想像にかたくない」との意見陳述書を読み上げた。

　弁護人の隣に座った男は、うつむきながら検察側の資料に目を落とし、論告を聞き入っていた。初公判で男は起訴内容を認めて謝罪し、弁護側は刑事処分でなく保護処分を求めた。

　起訴状によると、男は昨年1月15日朝、東大前の路上で、共通テスト受験に訪れた当時高校3年だった男女と、通りがかった70代男性の背中を包丁で刺し、約2週間～3カ月のけがを負わせたなどとされる。
https://www.tokyo-np.co.jp/article/286308