日本将棋連盟、藤井聡太竜王のために名古屋に対局場を新設　場所はトヨタが無償貸出

　日本将棋連盟は１６日、将棋会館（東京都）、関西将棋会館（大阪府）に次ぐ公式対局拠点として、愛知県に名古屋対局場（仮称）を６月に開設すると発表した。主に名人戦順位戦の対局拠点として、第８１期順位戦開幕局（６月）から使用される。

　対局場は、東海地区最高峰の地上２４７メートル、４７階建てのランドマークタワー「ミッドランドスクエア」に入居するトヨタ自動車名古屋オフィスが、２５階の会議室を無償提供する。特別対局場はつくらず、畳敷きの大広間で最大７局に対応。ＪＲ名古屋駅から徒歩１分の好立地を生かし、中部・東海エリアの将棋のさらなる普及・発展に寄与。東西両将棋界の交流促進を図る。

　「会館」ではないが、愛知県瀬戸市に在住する藤井聡太竜王（１９）＝王位、叡王、王将、棋聖＝にとってうれしい本拠地になる。順位戦では来期は最高クラスのＡ級で戦い、来年４～６月の名人挑戦を狙う。連盟は「藤井五冠は９局中、６局は名古屋対局になる見込み」と説明。谷川浩司九段（５９）が１９８３年に２１歳２か月で達成した最年少名人の記録更新のラストチャンスとあって、楽な移動は追い風になりそうだ。

　藤井五冠の師匠で名古屋に住む杉本昌隆八段（５３）は「東海在住の棋士の長年の夢でした。今後、棋士になって、地元に残る人も増えるのでは。移動の負担が減るのは大きい」と地の利と東海勢力拡大を喜んだ。ビル内にお気に入りのラーメン店があるといい「どの店が食事を配達してくれるのか、それもまた楽しみ」と声を弾ませた。

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