日本企業のパワハラ･ブラック度が分かる指標｢BIG MOTOR INDEX｣(BMI)が考案される！7つの項目から御社のビッグモーター度が明らかに

BIGMOTORでわかった！｢パワハラ会社｣7大兆候
｢ビッグモーター指数｣で企業風土を診断！
2023/07/30 9:20
https://toyokeizai.net/articles/-/686542

その事案の悪質性もさることながら、今どきあり得ない「パワハラカルチャー」ぶりに、世論の怒りが沸騰しています。

このコンプライアンス時代にありえない時代錯誤的な企業風土なわけですが、実は、日本には、こうした「前時代的な企業」はまだまだ少なくないのが実態です。

今回は、この会社の「コミュニケーションスタイル」を詳細に分析し、その「ヤバい伝え方」を体系化してみました。

そこから編み出されたのが、企業の「パワハラ度」を測る新しい指標「BMI（Big Motor Index）」です。

① あいまいで抽象的な精神論やスポコン的、念仏的な言葉が飛び交っている

「幸せだなぁ！」「俺（私）はツいてる！」
「やってやれないことはない」「やらずにできるわけがない」

抽象的な観念論・精神論は、社員の具体的な行動変化にはつながりにくいわけですが、とりあえず「檄を飛ばしておけば、人は動く」と、
暑苦しい「根性ワード」や宗教チックで大げさな「ポエムワード」を垂れ流す会社は少なくないのです。

【要注意ポイント】
「ちゃんと」「徹底的に」「全力で」「全身全霊で」「誠心誠意」「潜在意識」「『戦』『闘』『勝』『殺』といった文字が入った言葉」が氾濫している。

② 上下関係が厳しく、常に圧のある命令調

常に上司が正しく、部下に命令し、部下はそれに盲従するという身分制度的な上下関係意識が根付いている会社は要注意です。

ビッグモーター社では、こうした「神と奴隷」のようなトップダウン型コミュニケーションが横行していました。

経営計画書の「経営方針の執行責任を持つ幹部には、目標達成に必要な生殺与奪権を与える」との言葉はまさにそうした身分関係を象徴する言葉でしょう。

【要注意ポイント】
「●●しろ！」「●●しないとダメ！」「『ほうれんそう』を徹底しろ」という圧の強い命令言葉が横行している。

③ 「ホメ」はなく、「ツメ」しかない

ダメな組織には、「ホメ」は少なく、「ツメ」だらけ。ほめると「ツメが甘い」と怒られます。

「適当な仕事すんなクソタコ！！！！！！」
「マジでクソすぎる！！！ ポンコツ！！！！！！」

ビッグモーター社の社内メールには、こんな言葉があふれていました。

【要注意ポイント】
「バカ」「クソ」「アホ」「使えない」「やめろ」「なぜ〇〇した！」「なぜ、●●しなかったんだ！」という非難の言葉、やたらと「！」の数が多いメール

「社内恋愛は二度目まで！三度目は転職を勧告する」
「結婚式は売り出し日を外して、予定を組む」
「結婚式に上司や同僚を招待した場合は、交通費を負担するのが社会の常識。この費用が負担できないのなら、式を挙げる資格はない」

ビッグモーター社には、こんな謎ルールが数多くありました。

正当な理由もなく、前例に従って行う、もしくは、精神修養だけのために行う「ブラック社則」は即刻、廃止していくべきでしょう。

【要注意ポイント】
軍隊式朝礼、社員に過度なまでのトイレ掃除を強制する、社内にやたら啓発ポスターや標語ポスターが貼ってある。

⑤ 「自分が正義、相手が間違っている」と決めつける

兼重宏行社長からのLINEとされるものに、

「営業の適性が無い人は、お客様にご迷惑をお掛けするので絶対に放置してはいけない！」
「バカが言うことに対して客様は絶対に納得されない」

といった言葉がありました。
「私は正しく、お前は間違っている」と決めつけるコミュニケーションでは、部下の自発性、自主性が削がれてしまいます。

経営計画書には「会社と社長の思想は受け入れないが仕事の能力はある。（そんな人は）今、すぐ辞めてください」という表現がありましたが、
まさに、上が価値観を植え付け、下はそれに従うことを良しとする文化の中では、健全な対話や心理的安全性は生まれるべくもありません。

また、兼重宏行社長は、会見で「全く」「天地神明に誓って」などと断定調の言葉を繰り返しましたが、不確定なことでも、強く言い切るスタイルは独裁者の証拠。
行きすぎた「決めつけ言葉」があふれている職場は危険です。

【要注意ポイント】
「天地神明に誓って」「必ず」「全く」「あなたはいつも〇〇する」などといった断定・決めつけ言葉が横行している。

ビッグモーター社員間のLINEでは

「バカは年を取っても賢くならない！」
「バカ=お客様の気持ちが分からない人！」
「バカが言うことに対して客様は絶対に納得されない」

などの否定的な言葉が飛び交っていたようです。

人を育てようとするなら、欠点ばかりに焦点を当て、ダメだしを繰り返すより、いいところを指摘し、その行動を繰り返すように仕向ける
「Positive reinforcement（ポジティブリインフォースメント）」という手法が有効です。

たんに叱りつけるのではなく、正しく導く、いいところをきちんと指摘して、強みを生かして成長に結びつけるコミュニケーションスタイルが令和流なのです。

【要注意ポイント】
「●●してはいけない」「〇〇してはダメ」「〇〇するな」などの否定語や禁止事項だらけ。

⑦ 嫌悪と恐怖、敵意、妬みなどネガティブバイブにあふれた風土

調査委員会の報告書にあった、「経営者に盲従し、忖度するいびつな企業風土」は、ビッグモーター社に限ったものではありません。

怒り、恫喝、脅し、妬みなどネガティブバイブの充満した企業は決して少なくないのです。

日本人の中には「『忍耐』や『厳しさ』の中でこそ、人は成長する」と考えている人は少なくないからです。だから、スパルタ的な教育や指導が効くといまだに考えてしまう。

確かに、恐怖心をあおると、人は簡単に動く側面があります。ヒトラーもトランプも同じ手法を使って人を動かしました。

ただ、その手法は決して長続きはしないし、必ずほころびが出る。日本でもこの手法を使うダメ経営者の元で多くの企業が破綻してきたのです。

【要注意ポイント】
「人」より「数字」を重視する。悪口、陰口、妬み、そしり、などネガティブな言葉が充満している。

みなさんの会社はいかがだったでしょうか？
ひとつでもあれば、転職を検討したほうがいいでしょう。
もしくは、さっさと、こうした昭和の「伝え方」をやめなければなりません。

西村ひろゆき

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