宮城県水道民営化計画、本日委員会採決

水道運営権の売却案、宮城県議会委が紛糾　2日に採決

　宮城県の水道事業の運営権を民間に売却する計画について、県議会の建設企業委員会は1日、関連議案の審議を始めた。野党会派の委員から、水質の安全性を担保できるのか疑問視する意見が噴出し、議論は紛糾した。2日に委員会で採決される。

　県は水道事業について、自治体が施設の所有権を持ったまま、運営権を民間企業に売却する「コンセッション方式」の導入を目指している。今定例会で議案が可決されれば、2022年4月から20年間、水処理大手「メタウォーター」（東京都）など10社のグループに運営権を与える。

　委員会では、野党会派の遊佐美由紀委員（みやぎ県民の声）が「運営が営利本位にならないか。水は公共財。経費削減のため、住民の福祉が後退してはならない」と指摘。岸田清実委員（社民フォーラム県議団）は「民間が運営する浄水場などの管理会社を監視できるのか」とただした。
　県の担当者は「我々が最終責任者として、安全安心な水を提供する」、「事業計画の実施状況を含め、きちんと監視して信頼を得る」などと応じた。水質検査は従来通り、県が担う予定だという。

　一方の与党会派。遠藤伸幸委員（公明党県議団）は、県の計画を「（浄水場などの維持管理の）委託先が明確で、透明性の観点から評価できる」と支持。守屋守武委員（自民党・県民会議）は「浄水場は施設ごとの特性がある。現場の技術、経験を継承しないといけない」と注文を付けた。
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