ワシントンポスト「安倍が暗殺されたのは警備の適当さとSPの訓練不足。シークレットサービスが警護したらこうはならない」

安倍晋三暗殺の背景にある安全保障上の失敗を読み解く

安倍晋三元首相が暗殺された事件は、大きな警護の失敗を露呈している。

安倍首相は、岸田文雄首相と同様、警視庁警備部による警護を受けていた。首都圏の常備警察の専門部隊が警護にあたるのは、日本では珍しいことではない。ロンドン警視庁の警護課も同様に、王室、首相、元首相、政府高官などの警護を行っている。

第一の失敗は、一般市民と安倍さんを隔てる紐が明らかに欠如していることです。しかし、事前に計画されたスピーチでは、脅威となる可能性のある人物を阻止し、アクセスを拒否するために非常線を設置すべきです。

第二の失敗は、安倍の警備を担当する監督官または警官が、エイブから離れすぎていたことです。この担当者は、攻撃が始まったら直ちに安倍首相を援護し、可能であれば避難させる責任があったはずです。また、他の隊員もアベの近くにいて、アベの周りを「固める」ことができるようにすべきだった。そうしていれば、2発目の殺害と見られる銃撃からアベを守ることができただろう。

2016年の米国大統領選挙では、奇襲攻撃への適切な対応事例が2つ見られた。これらの事件は、当時のドナルド・トランプ候補とバーニー・サンダース候補に関わるものでした。人々がステージに向かって殺到する中、他の人がデモ隊に挑むのを尻目に、エージェントがプロテクトを取り囲みました。この戦術は、攻撃者から被保護者への視線を遮ると同時に、最初に目に見える脅威が警備を遠ざけるための単なる陽動作戦であるというリスクを軽減するために考案されたものです。

3つ目の失敗。警備警察の何人かは明らかに躊躇している。映像の左側にあるオレンジ色の旗の後ろにいる一人の警官は、攻撃者に向かって突進する前に立ち止まっているのが見えます。
シークレット・サービス、国務長官や米国大使、外国要人の保護を担当する外交保安局、国防長官や国防総省のトップリーダーの保護を担当する陸軍犯罪捜査部-保護課は、このような躊躇を軽減するために厳しい訓練を行っています。これには、脅威に対する衝動的な反応「マッスルメモリー」を捜査官に訓練させることが含まれる。重要なのは、混沌とした混乱の中で躊躇するのではなく、訓練プロトコルに有利な衝動的な反応を引き起こすことである。

4回目の失敗 2人の警官が、1発目と2発目の間に安倍さんと犯人の間に入り、反応しました。しかし、彼らは一人でした。ブリーフケースに見立てた防弾シールドを掲げながら射線に飛び込むという、並々ならぬ勇気を示したのです。しかし、この二人は二発目を防ぐだけでなく、阿部さんが倒れたのを確認してから駆けつけなければならなかった。一発目の銃声が聞こえてから、最初の警官が阿部さんのもとにたどり着くまで、少なくとも7秒はあった。それは長すぎる。

1992年、ロナルド・レーガン元大統領は、ラスベガスでのイベントでデモ参加者に直面した。レーガン大統領のシークレットサービスは4秒でレーガン大統領にたどり着いたが、シークレットサービスはこの事件を重大なセキュリティーの失敗とみなした。この事件をきっかけに、ステージ上の被保護者に接近する可能性を制限し、一部のエージェントが常に被保護者の近くにいるように手順を変更しました。

シークレットサービスは、ここで極端なことをやってのける。例えば、9.11同時多発テロ直後のニューヨークで行われたブッシュ元大統領のワールドシリーズ登板では、シークレットサービスのエージェントがフィールド上のアンパイアに変装していた。2017年には、イギリスのウェールズで行われたクリントン氏への名誉学位授与の際に、ヒラリー・クリントン氏のシークレットサービスの責任者が教員に変装していた。これにより、彼は自分の存在をほぼ目立たなくしながら、ステージ上でクリントンに最も近い場所にいることができた。

安倍首相暗殺の失敗は、一貫した警備体制の重要性を物語っている。もし、米国の元大統領が安倍首相と同じような襲撃を受けたとしても、生き延びることができたかもしれない。しかし、日本の場合、一瞬の悲劇が歴史に刻まれた。

https://www.washingtonexaminer.com/opinion/decoding-the-security-failings-behind-shinzo-abes-assassination?_amp=true

SP「やじ対策しか訓練されてないんよ・・」