ロイター「日本が汚染水海洋放出を決定。政府高官は『誤解を招くため汚染という単語を報道に使用するな』とマスコミに要求」

東京（ロイター） – 日本政府は24日、福島第一原子力発電所から放出された
100万トン以上の汚染水を海に放出すると発表した。

最初の放水は約2年後に行われる予定で、原発を運営する東京電力には、
有害な同位体を除去するための水のろ過、インフラの整備、
規制当局の承認を得るための時間が与えられる。

日本側は、2011年の地震と津波で破壊された原子力発電所の複雑な廃炉作業を進めるために、
今回の放水が必要であると主張しており、世界中の原子力発電所で
同様にろ過された水が日常的に放出されていると指摘しています。

オリンピックサイズのプール約500杯分に相当する130万トンの汚染水が、
福島第一原発の巨大なタンクに年間約1,000億円をかけて貯蔵されていますが、
そのスペースも限界にきています。

"菅義偉首相は、「処理水の放出は、福島第一原子力発電所の廃炉と
福島の復興のために避けて通れない作業である」
と述べ、数十年かかる作業であることを明らかにした。

この決定は、延期されている東京オリンピックを約3ヵ月後に控えたもので、
一部の競技は、事故を起こした原発から60kmも離れた場所で開催される予定です。
安倍晋三元首相は2013年、国際オリンピック委員会に対し、
福島原発は「東京にダメージを与えることはない」と断言していました。

東電は、汚染された水をろ過して同位体を取り除き、
水から分離しにくい水素の放射性同位体であるトリチウムだけを残す計画です。
その後、東電はトリチウムの濃度が規制値を下回るまで水を希釈してから、海に流す。

トリチウムは、人間の皮膚を貫通するほどのエネルギーを放出しないため、比較的無害だと考えられている。
世界の他の原子力発電所では、低濃度のトリチウムを含む水を日常的に海に放出しています。

米国は、日本が国際原子力機関（IAEA）と緊密に協力してサイトを処理していることを指摘しています。

"このユニークで困難な状況において、日本は選択肢と影響を検討し、その決定について透明性を保ち、
世界的に受け入れられている原子力安全基準に沿った
アプローチを採用したと思われる」
と米国務省はウェブサイトで声明を発表した。

近隣諸国への配慮
しかし、日本の近隣諸国はあまり好意的ではなく、中国と韓国はこの計画について
より多くの協議を行うよう求めています。

中国の外務省は、ウェブサイト上で声明を発表し、
「この行動は極めて無責任であり、国際的な公衆衛生と安全、および近隣諸国の人々の重要な利益を
著しく損なうものである」と述べています。

韓国は、「今回の決定が、国民と周辺環境の安全に直接・間接的な影響を与えることになるとの深刻な懸念」
を表明し、独自の放射線測定・監視を強化するとしています。

台湾も懸念を表明しています。

福島県の漁業組合は、何年にもわたって政府に放流しないよう求めてきましたが、
それは産業に「壊滅的な影響」を与えると主張しています。

サイエンティフィック・アメリカン誌の記事では、2014年にトリチウムを摂取すると、
がんのリスクが高まると報告されているが、他の汚染物質を心配する専門家もいる。
東電によると、長年の処理にもかかわらず、現在、水にはかなりの量の有害な同位元素が含まれているという。

"マサチューセッツ州にあるウッズホール海洋研究所の上級科学者であるケン・ブッセラー氏は、
「私が懸念しているのは、まだタンク内に高レベルで残っているトリチウム以外の放射性汚染物質です」と言う。

"福島周辺海域を調査した経験を持つブッセラー氏は、
「これらの汚染物質は、いずれもトリチウムよりも健康への影響が大きく、
魚介類や海底堆積物に蓄積されやすいものです」と付け加えた。

日本政府は、ろ過と希釈のプロセスを強調している。政府の広報担当者は月曜日、
報道機関にメールを送り、誤解を招く恐れがあるとして「汚染された」という言葉を使わないよう要請しました。

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