ニューヨーク州、10％以上の値上げに新ルール「コストの明示を義務化」

【ニューヨーク=弓真名】米東部ニューヨーク州のレティシア・ジェームズ司法長官は2日、企業が優越的な立場を利用して不当に値上げをすることを防ぐ新たな規則案を発表した。企業が商品やサービス価格を10%以上引き上げる場合、必要なコストを示して値上げの正当性を説明する必要がある。

今後60日間、一般からの意見を受け付け、法律に規則を盛り込む。10%以上値上げした場合を「著しい価格差」とみなす。配車サービスのウーバーなど需要動向に応じて価格を変動させるサービスや商品にも適用する予定で、災害などで混乱が起きる1週間前の価格を基準として上昇率を算出する。

同州は2020年に不当値上げを禁じるため法律を改正し、司法長官は円滑な運用のために必要な規則を設けられる。22年5月には米国各地で不足していた乳児用粉ミルクについて、30以上の小売業者が消費者に過大請求しているとして警告を出していた。

ニューヨーク市はすでに、緊急事態宣言を出した後の10%以上の値上げを違法と定めている。全米州議会議員連盟（NCSL）によると、米国では22年3月時点で37の州などが緊急事態後の法外な値上げに関して法令や規制を設けている。

米紙ニューヨーク・タイムズによると、他の州などは15～25%の値上げを規制の対象にしており、10%以上とするニューヨーク州の新ルール案は企業にとって相対的に厳しいとみられる。

https://www.nikkei.com/article/DGXZQOM402DQS0S3A300C2000000/

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