スキマバイトで「カイジの世界」を見た高校生からのメール、仮眠は土足の床

◆「レインボーブリッジ封鎖のお手伝い」
男子高校生が応募したのは、東京都が主催する自転車イベントの会場を設営するスキマバイト。
「GRAND CYCLE TOKYO　レインボーライド2024」と題し、12月1日の早朝から開かれた。

過去の大会でレインボーブリッジを自転車で走る参加者ら（GRAND CYCLE TOKYO実行委員会提供）
レインボーブリッジや東京ゲートブリッジ。
東京都の台場・青海地区の観光名所を巡るコースが設定され、自転車で駆け抜けることができる。人気のイベントだ。
自転車が趣味の男子高校生もイベントに参加したいと申し込んだ。
しかし、抽選の結果、落選した。
その後、スキマバイトアプリ「タイミー」の求人を眺めていた。
スクロールする指が思わず止まった。
「イベントに伴うレインボーブリッジ封鎖のお手伝い！」
GRAND CYCLE TOKYOの運営スタッフが募集されていた。

男子高校生がタイミーから応募した求人のタイトル画面（高校生提供）
少し前、タイミーに「夜道で猫を探す」との闇バイトと疑われる求人が掲載されていたことを報道で知った。
闇バイトに関わる気はないが、求人内容だけでも見てみたい。
興味本位で、アプリをたまたまダウンロードしていた。
参加はできなかったけれど、バイトならできそうだ。
社会勉強として働いてみようと、初めてのスキマバイトにこの仕事を選んだ。
◆寒空の屋外で深夜2時まで待たされ…
タイミーでマッチングしたのは、Workyou株式会社（東京都新宿区）。
知らない短期人材サービス会社だった。
就業時間は11月30日午後11時半～12月1日正午の12時間半、うち休憩が4時間。時給は1165円（東京の最低賃金は1163円）。
マッチング後、当日は労働条件通知書に書かれていた始業時間より15分早く現場に来ることを求められた。
集合場所は、会場に近い東京国際クルーズターミナル（東京都江東区）近くの屋外。
バイトが始まってすぐの1日午前0時～4時は休憩時間とされ、ターミナル施設内で仮眠できるはずだった。

事前に示された業務内容によると午前0～4時は仮眠時間とされていた（高校生提供）
しかし、早速トラブルが起きた。
Workyou側がワーカーの点呼にかなり手間取った。
時間通りに来ないワーカーもいたのだろうか。
100人以上もの人数確認がなかなか終わらず、その間全員屋外で待機を余儀なくされた。
最終的に施設内に入れたのは、午前2時ごろ。
2時間以上も待たされた。
気温が一気に下がった12月上旬。
防寒具を着ていても寒さは身に染みた。
「本当にきつい人がいたら声を掛けてください」
社員がそう言うと、「限界です」と1人の女性が手を上げた。
社員に連れられ、どこかに姿を消した。
ようやく仮眠ができるといっても、用意された場所は布団も何もない土足の床の上。
「この時間は寝てください」
指示はあったが、眠れなかった。

X　スキマバイト
◯　日雇い人夫

日雇いなんかこんなもんだろ

百合子、嘘だよな