クルド人、入管施設で大暴れし制圧され暴行を受けたとし1100万円の賠償金を求め国を提訴し勝訴

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入管で職員がクルド人男性暴行、国に22万円賠償命令　「やっていることは拷問」被害者が怒りの会見＜動画あり＞
2023年4月20日 19時09分
　東日本入国管理センター（茨城県牛久市）で収容中に職員から暴行を受けたとして、トルコ国籍でクルド人のデニズさん（44）が国に約1113万円の損害賠償を求めた訴訟の判決で、東京地裁（篠田賢治裁判長）は20日、職員の制圧行為の一部について「合理的に必要な限度を超え、違法だった」と認め、国に22万円の支払いを命じた。
判決後に会見する原告のデニズさん（中）＝20日、東京・霞が関で
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　原告側は、違法行為が認定された入国警備官の1人を特別公務員暴行陵虐容疑で告訴する方針。
　判決によると、デニズさんは2019年1月18日夜、居室内で睡眠薬の提供を拒否され、大声を出すなどして抗議。処遇室への移動を命じられたが抵抗したため、複数の警備官が顔や体を押さえ付けた。
　判決は、この際に警備官の1人がデニズさんの顎の下の痛点を20秒以上強く押し込んだのは「相当痛みを与える行為で、とるべき通常の措置とは認めがたい」と指摘。左肘や背中を押さえたり、後ろ手に手錠をかけた腕を持ち上げるなどの行為も必要性がなく、違法と認定した。
　一方、5日間にわたる単独房での隔離については、デニズさんが興奮状態にあったことを踏まえ、違法ではないと判断。暴行による痛みと恐怖で精神疾患を発症したとの訴えについては因果関係を認めなかった。
　判決を受け、出入国在留管理庁は「判決の内容を十分に精査し、適切に対応したい」とコメントした。
　デニズさんはクルド民族で07年に来日し、日本人女性と結婚。難民認定の申請が認められず、17年2月に同センターに収容された。現在は仮放免中。
◆「全く人間扱いされていない」

　「やっていることは拷問。入管を信用しないでください」。判決後、東京都内で記者会見したデニズさんは、怒りを抑えきれない様子で入管施設内での体験を振り返った。
　開口一番、通訳を介して「今日の裁判は勝ったが、入管は今後も同じようにひどい扱いをしてくるのではないかと思う」と不安を漏らした。直近の3年半の収容期間中に「（今回違法と認定された行為と）似たようなことを20回くらい経験した」と強調。「全く人間扱いされていない。私たちは拷問されるために施設に入れられるのでしょうか」と訴えた。
　代理人の大橋毅弁護士は「入管側の違法性が認められた点は大きく評価したい。内容で認められなかった部分もあるので、控訴も検討したい」と話した。
　国会では、外国人の収容・送還ルールを見直す入管難民法改正案の審議が進むが、3回目以降の難民申請者を原則、送還する内容などに批判が上がっている。デニズさんは「命を守るために日本に来たのに命が蔑ないがしろにされている。国に帰って殺されればいいのか。入管難民法改悪には反対だ」と主張した。（奥村圭吾）

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