2025年12月11日 10時15分 THE GOLD ONLINE(ゴールドオンライン)
日本人旅行客を悩ませ続けるアメリカの「チップ文化」。しかし近年では、アメリカ国内からも「チップ疲れ」を叫ぶ声が増えているようです。本記事では、ニューヨーク在住23年目のファッション/テクニカルデザイナー・あっち氏の著書『ニューヨークとファッションの世界で学んだ 「ありのままを好きになる」自信の磨き方』(KADOKAWA)より一部抜粋・再編集し、アメリカのチップ問題についてご紹介します。
日本人の多くが海外旅行で頭を悩ませるのが、チップの問題です。相場がわからない。チップを渡し忘れて、気まずい思いをした……そんな経験がある方も少なくないでしょう。
実は今、米国で暮らしている人々の間にも「チップ疲れ」が蔓延しています。米国では、レストランはもちろん、カフェでのテイクアウト、ドライクリーニングの受け取り、タクシーやUberを利用したときなど、生活のあらゆる場面でチップが求められます。
カジュアルなカフェでコーヒーをテイクアウトしただけなのにチップ欄が表示されると、「ここは払うべき?」と戸惑うのもそのひとつ。また、若年層ほどチップを支払う割合が低い傾向があり、「こうすればよい」という正解がないこともチップ疲れを引き起こしています。
一般的にチップの目安は、レストランでは料金の15%から20%前後。領収書の下段には「Suggested Gratuity」(GratuityはTipと同義)として「15%、20%、25%」といった具合に、チップの目安が提示されていることがよくあります。客はこの3つの選択肢にあるチップを支払うというわけです。実はこのSuggested Gratuity、最近はインフレの影響で「20%、24%、30%」といった具合に値上がりしているのです。
そもそもなぜチップを払うのが「当たり前」になっているのでしょうか。そこには歴史的な背景が関係しています。
チップとは、英語で「To Insure Promptness(迅速な対応を保証するために)」の頭文字を取ったという説があるように、本来は「感謝」を示すものです。イギリスの貴族階級から始まり、19世紀末に米国へと輸入されたこの文化は、当初は「使用人に対する心付け」に近いものでした。
米国でチップ文化が根強く残る背景には、南北戦争後の奴隷解放(リンカーン大統領による奴隷制度の廃止)が大きく関係しています。当時、解放された元奴隷の多くが、ホテルのポーターや鉄道の車掌、レストランのウェイターなどサービス業に従事しました。しかし、雇用主たちは「彼らには基本給を払う必要がない。お客からのチップで稼げばよい」という旨の主張をし、極めて低い賃金や無給のままチップ頼みの労働環境をつくり上げたのです。
ちなみにレストランで「まずい」と思っても、それはウェイターには関係のないことなので、サービスに問題がなければ15~20%を払うのがマナーです。もし、味について文句があれば、それはお店のマネージャーに伝えるのが本筋です。
チップには本来税金がかかりますが、現金やアプリでの受け取りは「足がつきにくい」ため、申告しない人もいるのが実情です。先の大統領選では、トランプ氏は「チップは100%あなたのもの、今後は課税しない」と表明し、チップ完全非課税をアピールしていました。しかし、実際に成立した「トランプ減税法案」では非課税になる対象は年間2万5000ドル(約375万円)までという仕組みにとどまり、完全な非課税にはなりませんでした。
本来、チップは「ありがとう」の気持ちを表すための文化。けれど今の米国ではそれが形骸化し、ときに消費者の善意が試されているような制度となり、チップ疲れを呼んでいます。企業側も、チップが支払われることを前提にせず、あらかじめ必要な価格を時給に織り込んでおいてくれたらいいのに、と個人的には思っています。
あっち
ホテルで荷物5ドル、ベッド5ドル!ガイドブックを信じて大恥も…現地人も悲鳴を上げる米国チップ事情
2025年3月19日 14時0分 FRIDAYデジタル
ニューヨーカーも辟易…「ガイドブック」も最新情報とは限らない!
アメリカを旅行する際、「チップ」で悩む人は多いのではないだろうか。ホテルのベッドメイキングをはじめ、レストランやタクシーの支払い時など、チップを上乗せする習慣がある。しかも、チップの相場はケースバイケースで、旅行ガイドブックを見ても「支払金額の10~20%」などとあいまいなことも多い。
そのチップも今、アメリカにおける物価高により、相場が以前より上がっているという。チップとインフレーションを合わせた「チップフレーション」(Tipflation)という造語もあるほど、現地の人々も辟易している。
正しいチップの相場をあらかじめ知っておかないと、現地で恥をかくことになりかねない。しかも、その参考となるはずの旅行ガイドブックも、実は最新の情報とは限らないので注意が必要だ。
【タクシー】クレカ支払いに上乗せ、「Uber」普及でチップ任意に
続いて、「タクシー」でのチップについて。これについて、料金の「10~20%」や、荷物を出してもらった場合に「1個につき1ドル」などと、旅行ガイドブックには載っている。
「ニューヨークのタクシーといえばイエ口ーキャブで、今もたくさん走っていて、もし乗った場合、料金の15~20%ほどを上乗せして支払えばよいです。クレジットカードも使えます」
ただ、最近はタクシーだけでなく、「Uber」などのライドシェアが普及している。行き先をピンポイントで指定でき、特にニューヨークのような大都市ではUberの台数も多いため、ほんの数分待つだけですぐにやって来る。
「Uberは、料金がアプリで呼んだ段階で分かるので、チップを支払う必要は基本ありません。ただ、サービスがよかった際など、降車した後にアプリ上で支払うことができます。ただし義務ではないです」
【レストラン】高額な飲食代に加算…カフェや無人レジまでチップを請求!?
日本人旅行者にとって最も悩ましいのが「レストラン」でのチップだろう。これも旅行ガイドブックには「代金の15~20%」「税金の2倍」(ニューヨークの場合は18%)など基準がいまいち曖昧だ。
「ニューヨークでは最近、20~25%が相場のようです。クレジットカードの支払い端末でチップ金額のボタンを押す部分があり、レストランによっては『22%スタート』のところも。レストランによっては『18%/20%/25%』の3択と、あと任意のチップ金額を選べるところが大半です。
近ごろは飲食代も高く、それに伴い、チップの金額も高くなっています。基本的に、ホールスタッフは『チップが収入源』で、高級店だとディナー1晩で日本円で15万円ほど稼げるところもあるとか。なお、コートなどの上着を預かってもらった場合も、1着1ドルでは今は少ないかもしれません」
さらに、レストランだけでなく、カフェでもチップを支払う習慣が広まりつつある。筆者も昨年12月にニューヨークで大手カフェチェーンを利用した際、レジの支払い時にチップの画面が同時に出て、とても驚いたが、これには現地に長年住んでいても違和感があるという。
「チップは本来、サービスに対して支払うもので、注文して提供するだけなのに、今はスタバでもチップの入力欄が堂々と提示されます。これも、『18%/20%/25%』の中から選ばせる雰囲気で、『NO TIP』のボタンもあるものの、目の前でそれを押す罪悪感を抱かせる空気はなんとなく理解しがたいものがあります」
カフェでのチップを、現地の人々は意外と躊躇なく支払っているという。しかも、年齢層が若い人たちとのこと。
カフェのチップについて、旅行ガイドブックで記載がないことも多い。もちろん、レジで「NO TIP」も選べるし、画面に表示されてもレストランほどチップ必須でもない。アプリでコーヒーなどを注文してテイクアウトする際にもチップのオプション画面が出てくるし、セルフレジでも表示される。
バーでのチップ「1杯1ドル」→「1杯15~20ドル」に!?
コロナ禍から景気が急回復し、インフレが止まらないアメリカ。コロナ後に西海岸とハワイ、そして今回、ニューヨークを訪れた筆者は、チップはもちろん、ホテル、レストラン・カフェ、交通費、観光スポットへの入場料など「何もかも高い」という印象を受け、日本との物価の違いを痛感させられっぱなしだった。
特に、ニューヨークの物価はけた違い。現地に長年住んでいる男性も「チップの相場は間違いなく上がった」と、はっきり語る。
「レストランのチップが25%というのはもちろん多いほうですが、チップの相場が大幅に上がったのはコロナ明けからだと思います。昔はバーで『カクテル1杯1ドル』の慣習がありましたが、今はマンハッタンなどで1杯が15~20ドル、しかも税金とチップが加わると、仕事帰りに1杯ということがなかなか厳しくなりました」
カナダはあった
ホテルとかはあるな
オージーはあった
スーパーのレシート見たら勝手に上乗せされてた
アメリカって面倒な決めごとを残しすぎだよね。
比較的新しい国家のはずなのに
チップって脱税もあるよな
会計通さないで金のやり取りしてる
ほんらいは所得として納税ある
幾らやろうかって一々考えるのがクソ面倒くさい
だから金のない若人に嫌われているアメリカの伝統的システム
チップをやめようという機運が広まりつつある中で
日本人がかっこいいと思って真似するのはちょっと止めたほうがいい
そこまでやるならもう料金に入れろよって思うわ
アホらし


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