記者会見問題で参政党と激しいバトルを繰り広げている神奈川新聞
日本のマスコミで唯一参政党を「極右政党」と明言するなど、非常にアグレッシブな姿勢が話題を呼んでいる。参政党を取材をした矢部真太氏はかつて学生団体「SEALDs」の有力メンバーだった名物記者でもある
SEALDsが話題になった当時、全国紙よりも熱のある取材を繰り広げていたのも神奈川新聞だったし、在特会のヘイトスピーチが激化していた時、デモ活動家を「差別主義者」「レイシスト」と名指しで批判したのも神奈川新聞だった
右翼からは反日紙と呼ばれ、左翼からはオピニオンリーダーとされた朝日新聞がこのところパッとしなくなる中、神奈川新聞だけがエッジがかっているのはなぜか
左右どちらも知るべき背景分析をしていこう
実際これだろ
さらに地域情報紙としては「タウンニュース」という老舗フリーペーパーがある
これは、ほぼほぼ自治体単位で発行されており、神奈川新聞地域面も扱わないような市内のニュースを結構取材していて、ただで読める(家に投函されたり、配っていたりする)
タウンニュースがあれば自分の住んでいる地域は知れるので、わざわざカネを出して薄っぺらい地域情報を取り入れる必要はない、ということだ
タウンニュースって全部にあるのかよ!
ほぼ全域に地域版がある
多摩版もある。町田問題じゃないけど、神奈川的な「都心の南西に広がるベッドタウン」が都内の多摩地区でも一体であることを示していると思う
神奈中バスも八王子や多摩市の営業所もある。神奈川新聞は神奈川県内だけしか向いていない
古いデータで申し訳ないが、2007年時点の部数は21万部程度。26万部近い徳島新聞よりも少なかった。徳島県の人口は69万人、神奈川県の人口は922万人であるから、購読シェアの差は圧倒的である
https://facta.co.jp/articles/images/200707/200707_084_1.gif
つまり神奈川県民のほとんどは神奈川新聞を読んでいないのである
福島や沖縄のように、2つも県紙がある県もあるが、どこも大都市圏ではない場所ほど県紙が圧倒的で、全国紙はほとんど読まれていない
地方は、県内で自己完結する社会が形成されている。村社会である
自宅も仕事もすべてが県内にあり、親戚も取引先もみんな県内で収まる閉じた社会になるため、県全体の情報源としての新聞が重宝される
遠い田舎ほど、東京の話題、全国の話題は海外ニュースくらいどうでもよく感じるのも事実で、そういう田舎では県紙は絶大的な影響を持つ
田舎の県ほど、高齢者が県紙を読むのは「おくやみ欄」で知り合いの訃報を確かめるためだということもあり、おくやみを読むために新聞を購読している人さえいるほどだ
銀行も神奈川銀行より横浜銀行がよく使われているが、神奈川新聞は読まないがFM横浜を聞く人はものすごく多い。横浜ウォーカーという雑誌もあったが、「神奈川ウォーカー」では即廃刊になったはずだ
つまり神奈川県民の大半が求めているローカル情報は、自分の住んでいる地域+横浜+東京であって、神奈川新聞の扱う「神奈川県全体」という単位ではないのである
横浜市民なら、市内と都心しかみないし、川崎市民なら横浜さえ見ることはない。川崎の話題を伝えても、川崎以外の県民には無駄な情報でしかない。なぜなら横浜に用事やつながりはあっても、東京に行く「ストロー」でしかない川崎なんてどうでもよいからだ
例えば湘南だけで120万人が住んでいる。藤沢市で40万、茅ヶ崎市や平塚市でそれぞれ25万で、そこに鎌倉などを含めれば「1つの県」並みの人口規模とまとまった社会になる
それだけ膨大な人がいて複雑化した環境があちこちにあるのに、読者は少ない。これできめ細やかに地域全部を取材できるかというと、おそらく難しい
神奈川のような大都市では県紙経営は至難の業なのだ
徳島新聞が豊富な誌面で伝える徳島県内の話題と、神奈川新聞に掲載される相模原の話題では、圧倒的に差があることは明白だろう
これが神奈川で県紙が成り立たない理由と、田舎で県紙が成り立つ理由
人口が少なくとも1つの県だけで閉じた情報媒体として割り切り、県内各地に取材網があり「タウンニュースレベルの記事」が無数にあって読みごたえがあるから
「地域の話題が少なすぎて読んだ気がしない」ということだ
主要なページは通信社の全国配信記事の転載だし、地域面も甲子園のネタがほとんど
うすらうすら地域記事もあるっちゃあるが川崎、横浜、大和、平塚、相模湖、三崎、伊勢原~小田原方面みたいな現実的なつながりが全くない場所を全部1つの紙面に載せるからまとまりがなくなってしまう
一面だけってマジ?
小さい県でも2~4面はさくだろ
俺が一面だけっていつ言った?
一つの紙面って言ってるじゃん
読解力ない人は帰って
それが公務員。県の職員、教職員などである。神奈川県内の公共施設に行くと、
必ずロビーに新聞ラックには神奈川新聞がある。学校の職員室も神奈川新聞が置いてあるものだ
で、神奈川県って歴史的にはものすごく官公労が強い公務員天国なのである
へええ勉強になる
だからあれなのか
神奈川ローカル紙がサヨクに親和的なだけに見えるけどね
全県的に日教組が強い
日教組は民主党、そして旧社会党の支持基盤だ
団塊世代の教員が定年前だった俺のガキの頃は、21世紀になってもけっこうイデオロギーの偏った教育が当たり前だった
親方日の丸なのに日の丸反対なんだよ
この片山首相の出身地は神奈川県の藤沢市である
自民党政権が絶対的で、社会党が国政で政権交代のできなかった戦後昭和期
「地方の時代」をスローガンに掲げて次々と左の知事や市長による疑似政権交代が起きたが
この言葉を作ったのはじつは社会党系の長洲一二神奈川県知事であった。横浜市長の社会党左派の飛鳥田一雄氏、片山首相を輩出した藤沢市長の葉山峻、横須賀市長の長野正義など
1970年代前後には左の多選知事・市長が多かったのが、神奈川であり県下の主要自治体なのである
いまでは団塊世代の多くが退職しているが、退職公務員連盟(退公連)も盛んな土地柄でもある
そういうわけで、神奈川新聞のコアの読者層は、公務員上がりの高齢者層ということになるわけです。その層は、朝日より左であると「刺さる」わけ
通常の地域ローカルメディアとしては成り立ちづらい土地柄で生き残るうえでのマーケティング戦略としては優れている
ちなみに東京新聞が3.11の脱原発路線以降「朝日より左」に振り切れているのも同じ理由といえる
本当は東京ローカル情報紙でいたいのだが、よそ者の集まりである東京では都内単位の地域情報を求めるニーズは少なく、全国紙に負けてしまう。するとエッジがかった媒体になる必要がある。生き残るために
左で朝日をやめて東京に乗り換えたという人は意外と多い
県土の大半は歴史的には相模国だが、川崎市全域と横浜市の大部分は武蔵国だったので、人口比率では武蔵サイドがほとんどになる
都心に通う人が大部分だが、横須賀より南、厚木や平塚より西はベッドタウンも厳しく、横浜さえもほとんど行かない地域内で閉じた世界になりがちだ
広島カープは広島県民全体の人気球団だし、北海道ファイターズは北海道のチームだが、横浜ベイスターズはあくまで横浜の球団だ
サッカーJリーグにいたっては平塚、相模原、川崎で別球団があるし同じ横浜市内に3つもある
サラリーマン家庭に購読されたから。当時のサラリーマンは団塊世代、島耕作みたいな学生運動上がりで、若いころ左巻きで資本主義に反対しながら、いざ就活すれば大企業に入っていいポジションに出世した人たちが好んだ「ブル新」である
神奈川は、貧乏でガラの悪い埼玉などと比べると、不動産価格も高くブランド力もあるので、そういうプチブル層が多く移住した。三鷹や武蔵野など中央線沿線に左翼が多いのも同じ理由だ
それ以下のバブル世代(60代~50代)は、学生運動の末路を子供の頃にみて、左翼にかぶれなかった、アレルギー意識さえある世代だ。その下はもっと
朝日は時代が下るほど、主要顧客の「大都市大卒リーマン中産階級」の実態とかみ合わなくなってしまうため、中道にかじを切るようになっていった
①神奈川県は東京のベッドタウンという側面が強く、②人口が多いので地域ごとの独立性が強い、という二つの理由から、通常の県紙のような県単位での情報媒体の需要が薄い
加えて年長の公務員が多く、左翼の人口が多い
この二点というわけだな
別に興味のある話題ではないが、勉強になるな
加えて朝日が衰退しているのは「左がかったベッドタウンの大卒リーマン層」が減っていること、そのため中道に寄せるほど既存顧客の不信感を募らせることでもある
朝日を読んでいた層は、今は日経新聞を読んでいる。電子版であれば日経のシェアはけっこうある。経済紙という差別化要因もあるから
「東京・神奈川みたいな左翼思想でもない、経済に強いわけでもないただの新聞」なら読売でもかわらないので、朝日は一人負けし、読売は横ばいという感じ
過去10年ちょいの朝日は、社説や外部の有識者のインタビューコラムで左翼老人に迎合したような色をみせつつも、あくまで社として主に取材する話題は読売などとほぼ変わらなくなっていて、切り口もだいぶ保守化している
それでも右翼は「朝日は反日」の先入観で聞く耳を持たないだろうが
それでも大企業病というか、全国紙という日本全体に市場を持って取材網もありスポンサーの顔色も窺う必要がある朝日は、会社の規模を維持するために、とがったことはどんどんできなくなる
すると朝日は中道化しながら緩やかに発行部数を減らし「惰性で読んでるだけの老人」以外を東京や神奈川が奪おうとするようになるのです
こんなん読むくらいなら赤旗読んだほうが方がマシやろ




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